美容師として働く私が妊娠!仕事は続けられるの?

一般的に懐妊はとても喜ばしいことですが、ときには状況や環境によっては人生の大きな選択と決意をせねばならないときもあります。

もちろん全ての人にとって最善の選択ができることが望ましいですし、「そうなってほしい」と願わずにはいられません。

そのような境遇に直面した美容師をモデルにして、「美容師の妊娠」が突然発覚したという場合はどうすればいいのか?と言う記事を数回に分けてご紹介いたします。

もちろん、個々人により環境とは異なるもので、もしあなたがこのような境遇に今現在いらっしゃったなら、ベストな提言はできかねますが、これから起こりうることを知る意味でもご一読くださいますと幸いです。

また美容師という職業は、業界の性質上「スタイリスト」と「アシスタント」の立場によって、担当する業務内容が異なるので、ここでは一部「スタイリスト」と「アシスタント」のどちらかに寄せて書いています。

では、以下より本編になります。

妊娠しても、美容師を続けられるか?

美容師アシスタントというと、平均のアシスタント期間は3年ほどと言われているので、最も多い年齢層は、20歳から24歳ぐらいまでの方が美容師アシスタントとして美容に従事されていると考えられます。

そして美容師として20代前半のこの時期は、いわゆる修行期間と呼ばれる頃で「長時間、重労働」が当たり前といわれるような過酷な労働条件で働いている方も多いことでしょう。

現在でこそ美容業界も「働き方」を重要視するサロンオーナーが出始めましたが、一般的な会社員と比べると、まだまだ労働環境はいわゆる「ブラック」と呼ばれてもおかしくない状況となっております。

スタッフの「妊娠・出産」に対しての捉え方が、まさにサロンオーナーによって考えが大きく分かれるところですが、「働き方を重視」するオーナーが経営するサロンですと、良心的なところでは「妊娠の報告」をしたと同時に配慮をしてくれるでしょう。

たとえば、就業時間を短くしたり体調に合わせた出勤の仕方を考えてくれたり、シャンプー業務などの「重労働」をなるべく他スタッフに代わってもらえるように、サロン全体としての方向性を打ち出してくれたりなど、サロンの負担とスタッフの負担、妊婦であるあなたの負担をバランスよく労働環境を整えられるサロンオーナーですとパーフェクトですよね。

ここまではいかなくても、できることとできないことをサロンとスタッフがお互いに話し合うことで、みんなが働きやすいサロンを作り上げていくことは、サロンオーナーの意識一つでどうとでもなってしまいます。

しかし美容室の数は多く全国に25万件以上の美容室があって、その数と同じだけのサロンオーナーが存在するのです。

前述した「良きサロンオーナー」ですと、たとえアシスタントが妊娠をしたとしても雇用を守れるように努力するでしょうが、残念ながらこの良きサロンオーナーは少数派であって、多くの場合は美容師アシスタントの「妊娠・出産」に理解を示すことは難しいと言わざるを得ません。

というのも「妊娠・出産」については、個人の認識の差よりも「世代の差」によって考え方が異なることが多く、あなたの環境によっては厳しい判断をせざるを得なくなるかもしれません。

ですので「妊娠して、美容師を続けられるか?」については、あなたの勤めているサロンオーナーの考え方次第というのが現実的なお答えとなってしまいます。

実家の援助が得られるか?

多くの美容師は就職後に「貧乏」を経験することが若手美容師の登竜門のようになっていますが、社会人になってからも何かと「親の援助」を受けている方も少なくありません。

まして美容師アシスタントが妊婦になったとしたら、親の援助は必要不可欠となることを覚悟してください。

「親の世話になりたくない!」
と思われたとしても、現実問題としては致し方のないことで、自力で解決したという事例はあまり聞いたことがありません。

またここでリアルな美容学校裏事情をお話しすると、美容学校に通っている2分の1は奨学金制度を利用して通学しているという現実を、あなたはご存知でしょうか?

ということは、両親にとっても手持ち資金に余裕があるとは言い難いので、何かしら考えを持ってお金の援助であったり、産後の育児についても真剣に話し合う必要はあるのではないでしょうか。

極端に言ってしまうと、先ほど申し上げた「サロンオーナーの考え方」と、上述した「親の援助の有無」によって、妊娠したアシスタントの選択肢はほぼ決まってくるといえますし、己に力がないときこそ、自身の考えよりも「環境による影響」のほうが勝ってしまうことはよくあることです。

日頃より特に女性の場合では、先を見通した計画が必要になるでしょうし、したたかな行動も求められるかもしれませんね。

本記事のまとめ

いかがだったでしょうか?
近年やっと「ママ美容師」という言葉が目立つようになって、業界でも「働きながらサロンワーク」ができるように変化してきましたが、その整備も全店で行き届いていないのも事実です。

それだけに、まだまだ身近に妊婦さんとして働いている先輩も少ないでしょうし、出産を終えて復帰する先輩美容師を目撃することも珍しいことかもしれません。

なんといっても美容師の雇用は他業種と比べても決して良い労働環境とはいえないので、妊娠や出産期間、幼児を子育てしている期間のサポートに不安を持つ方は多いと聞いています

「妊娠・出産」の理解に対して、発展途上の業界なので、一律にできるアドバイスがまだ乏しいのですが、「妊娠・出産」理解のある職場の特徴としては、サロンオーナーが比較的若く、「出産・育児」にどれだけ参加してきたかが問われるのかもしれません。