美容師 資格 働きながら

美容が好きな人にとっては、憧れてしまう職業である「美容師」ですが、美容師になるためには「どんな方法」があって、「どのような人が」成れるのでしょうか?

美容学校に通うためは「受験資格」を得ることが大前提となりますが、通信過程をうまく活用すれば「働きながら美容師になる」方法や「主婦でも美容師になる!」こともできてしまいます。

このように美容師になるための方法は、WEBを探せばたくさんの表面的な情報がすぐに手に入りますが、ここではもう少し「本音とリアル」を深掘りした視点から、ご説明していきたいと思っています。

ただよく聞く情報とは異なり、あまりにも正直にご説明をしていきますので、もしリアルを知りたくない方はマイルドな記事からお読みいただけるとよろしいと思われます。

では、ご一読くださいませ。

働きながら、「美容師免許」を取得できる?

はじめに、美容師免許を取得するには「美容師国家試験」に受験し、見事合格にならなければならないのですが、その「美容師国家試験」を受けるために必要な「受験資格」を事前に得なければ、そもそもの「美容師国家試験」を受験することさえもかないません。

ではその「受験資格」とは、何のことを指しているのでしょうか。

美容師試験センターから引用したところによると、「美容師養成施設において、昼間過程・夜間過程が2年以上、通信過程が3年以上終了した人」となっています。

ちなみに、この記事では「働きながら」という条件があるので、その場合は「夜間過程か通信過程」の2つの選択肢から選ぶことができます。

この2つの教育課程についての詳細はこの記事では避けますが、シンプルに申せば、
・夜間過程:2年間、費用は昼間過程と大差なく大学並みの費用がかかる
・通信過程:3年間、費用は50万円~となっており、ダントツの費用の安さがあります

個人的な見解では、要点は「時間をお金で買うか?」であって、どちらを選んでも卒業時の実力の差はあまり変わらないといえるでしょう。

ということで「働きながら、美容師免許は取得できる?」の答えは、この2つの方法からご自身に適したほうを選べば良いと言えるでしょう。

高校生でも、「美容学校に通える!?」

美容学校に通う方法はすでにご説明したように、昼間過程・夜間過程、通信課程と3つのコースがあるのですが、この中で唯一「高校生」でも美容学校に通うことができる方法があるのです!

というのも通信過程を有する一般的な美容学校では、通信過程だけは入学条件のハードルが低く設定されていて、たとえば主婦の方や現在別のお仕事をされている方や現役高校生であっても「受験資格」を保有しています。

では具体的に美容学校入学のための「受験資格」とは何かというと、一般的には「中学卒業以上」が大前提となっていますが、日本においては小・中学校は義務教育になっている以上、実質どなたでも受験資格を持ち合わせているといえるでしょう。

ただし美容学校によっては、それ以外にも条件として「サロンに従事していること」が必須であったり様々なので、もし行きたい学校があるなら一度調べてみるといいかもしれませんね。

ちなみに、高校へ入学と同時に美容学校の通信科に入学した場合、通常は高校の卒業と同時に「美容師国家試験」の受験資格も得られるため、卒業と同時に「最速」で美容師になることもできてしまいます。

たとえば、幼い頃から美容師になることを決めていて、1日でも早く美容師として働きたいという方は、ちょっと忙しくなってしまいますが、この方法も一つのやり方かもしれません。

主婦でも、「美容師の資格」は取れるの?

美容師は「平均年齢が若い職業」だと思われがちですが、実は「小さいお子さんを育児中の方」、や「子育てがひと段落した年齢の方」であっても十分に活躍できる職業ですし、主婦だからこその豊富な経験から裏打ちされた人間性も強い武器となります。

なので、より多様なお客様から支持される美容師というのは「若い子」よりもある程度落ち着きのある年齢の美容師さんのほうが親近感を持たれるという長所があるでしょう。

というのも、美容師とお客様の関係においては多くの場合、「同年代」や「同じ生活環境」であったときに、とても親近感が湧くもので、結果的に「顧客」になっていただけることが多いように感じます。

ですので、一概に美容師は「若いから良い」ともいえないので、主婦から始める美容師というのも決して悪くないといえるでしょう。

ただし覚えておいていただきたいのは、どうしても就職活動に関しては「売り手市場」とは言い難く、いわゆる有名店への就職に関しては「主婦の方」の新卒採用には難しい面があるかもしれません。

個人的な意見といたしましても、美容師アシスタント時代は何かと個人的な自由時間が取りづらく、「営業と練習」に24時間のうちの多くの時間を割かねばならないので、「憧れ」よりも「労働環境」で就職先となるサロンを選ばれるのが、家庭と仕事を両立する唯一の方法といえるのではないでしょうか。

さらに付け加えると、美容師という職業は明確に「男女」の働き方が生涯にわたって異なるものですが、それはプレイヤーとして「いち美容師の生き方」とも通ずるものがありそうです。

一般的には、女性美容師の美容人生は「生涯美容師」をされる方が多く、女性美容師の最大の特徴としては美容師とお客様が「お友達同士」になれることでしょう。

なぜ「お友達」の関係を築くことが「生涯美容師」でいられることと関係しているかというと、その関係性はもはや「仕事」としてだけではなく「友情」の関係に近いと言えるので、多少のことでは「失客に至ることがない」というのが主な理由です。

それに対して男性美容師の場合ですと、どんなに長年信頼されてお客様の「ヘア」を担当していたとしても、「お友達」になることはどうやっても不可能といえますし、若い時と比べると年齢を重ねた男性美容師はお客様を失客するリスクがとても大きいという傾向があるのが現実です。

なぜなら、少なくとも異性という意識は常にお客様にもあるので、いかに技術が優れていたとしても外見上の「見栄え」というのは例外とはならないようです。

ただしサロンオーナーの男性美容師なら、これまでご説明した「年齢による失客」ということはあまり起こらないので、例えばいつまでも生涯美容師を貫きたいと思う「男性美容師」の方は参考にされるとよろしいかもしれません。

話を戻しますが、「主婦から目指す」美容師への道は、決して一人前になるまでは「ラク」とはいえませんが、もしあなたが「主婦」だとして美容に興味を持たれている方がいらっしゃったら、「挑戦」してみることをお勧めいたします。

異業種で別の仕事をしながら、美容師になれる?

主婦の方のケースと同じように、「働きながら美容師になる!」場合においても、一人前になるまでにはそれなりの苦労と時間が必要となってくるので、ある程度の覚悟は「美容学校入学前」までに持っていたいものです。

たとえば美容学校通信生として入学されるなら、今現在美容師以外の仕事をなさっていて「これから美容師になるぞ!」と考えている方でも「入学の門」が開かれていることは既に申し上げましたが、実際のイメージとしては「仕事を二つ掛け持つ」ことと同じように、相当にハードな日々を送ることが懸念材料となることでしょう。

そして「座学」が得意な方で、美容師免許以外の様々な「資格」を取得しているような人でも、「美容師国家試験」では「筆記」+「実技」の両方を合格しなくてはならないので、なかなかに困難だと予想されます。

というのも、美容師は「職人」であり「技術」を身につける職業として分類されますが、実技試験では単に「やり方」を覚えればいいというものではなく、「手に技術を覚えさせる」必要があるため、それなりの「訓練時間」が必要となるのです。

このことからも別の仕事をしながら「美容学生」になるということは、何よりも「手に仕事を覚えさせる時間」の捻出が一番のボトルネックとなりそうですし、このやり方ではタイムマネジメントがしっかりできる人物にこそ向いているともいえますね。

個人的な裏技というかおすすめとしては、美容師国家試験の実技試験「合格最低ライン」をよく知ることが、通信過程3年間の比較的余裕のある生活を送ることのできる唯一のコツとなることをコッソリお教えいたします。

なぜなら、「技術の世界」の完璧を目指すことは非常に難しく、頂点に近づけば近づくほど「僅かな差」でもあるので、Top of Topの少しの差にこだわるよりも「合格ライン」スレスレがどの程度なのかを事前に把握することが効率的であることは、賢い方ならご理解できるはずです😏

さらに、気持ちが緩んでしまうのであまりお教えしづらいのですが、実技試験の「合格ライン」はズバリ「低い」でしょう!

たとえば、ワインディングについて少しお話しすると、ロッドの「巻き残し」はさすがに不合格となってしまうのですが、上記で申し上げた「スレスレの合格ライン」狙いで言うなら、「ロッドが巻き収まっていれば良い」ということがいえます。

実際に試験会場で目撃すると思いますが、「あれでいいの?」と思わされる完成度でも合格となることもあるので、あなたが気負う必要は全くありません。

どうせなら「スレスレ合格ライン」までちょっと余裕ぐらいの完成度で、国家試験に臨まれるといい塩梅ではないでしょうか。

なんにせよ、オールパーパスのワインディングは「営業では使わない!」と予想されますので、あくまでも「国家試験に受かるため」として、限りある練習時間を利用されると効率的といえるでしょう。

通信生って、「ホントのところ」どーなの?

これまでの「働きながら、美容師免許」を取得するモデルケースでは、主に通信過程の学生についてスポット当ててご説明してきましたが、リアルなところ「通信生ってどーなの?」と思われている方も少なくないと思います。

WEBに落ちている情報によると、通信過程を選択することにネガティブな意見はあまり見受けられないのですが、本当なのでしょうか?

いいところだけに光が当たっているようにしか見えないので、ここでは少し正直に話さねばなりません。

たとえば「通信過程」を選択するうえでの大きなデメリットとしては、上記ですでに申し上げたように、
・就職先に「有名店」は含まれにくい
・サロンから「無免許営業」を強要されることもある
・全てにおいて「本人のやる気次第」

就職先に「有名店」は含まれにくい

昼間・夜間生と通信生では、卒業時に「免許取得済み」であることには変わりないのですが、どうしても就職となると昼間・夜間生から優先的にサロンに選ばれていくようにもみえることはある種仕方のないことかもしれません。

というのも、特に昼間生は朝から夕方まで「美容」に関わる勉強をしているので、通信生と比べても圧倒的に「美容」に費やす時間が異なります。

よく勉強は「量よりも質」と言われることもありますが、それは「ある程度の差」までのことを言っていて、明らかに費やすことのできる時間が異なるときには、両者の差が大きくなることは言うまでもありません。

そして、その差は多くの場合では「知識量」と「共有価値」として表面化してきますし、その差を埋めるには並々ならぬ努力を伴うことを、付け加えて申し上げておきます。

知識量とはそのままのわかりやすいものなので詳細は省きますが、共有価値については堀下げて申せば、「共通体験の共有」とも言い換えることができます。

通常サロンワークでは、「チーム」として効率的に動くことが求められますが、このときに「共通点」や「共有体験」を美容師一人一人が持っていると無いでは、いがいにもズレが生じて気になるところが実感されるかもしれません。

具体的に言うと、美容学校で全ての技術の基礎を学んだ方なら、ほぼ完璧に「体系化された授業」のとおりに技術を身につけているはずですが、勤め先のサロンベースで「価値観」を作り上げてしまうと、今後のキャリアを送るうえでは「価値観の共有」は難しく、チームとしての連携に不協和音が生じることもなくは無いはずです。

美容師 資格 働きながらのまとめ

美容師免許取得までの「道のり」と「選択肢」は全部で3種類あることは今記事でご紹介した通りですが、美容学校のガイダンスや「まとめサイト」などを見ていると、多くがメリットと美容師免許取得までのことしか書かれていないので、人生設計をするうえでは参考になりづらかった方もいらっしゃったのではないでしょうか。

今記事では、なるべくリアルな「不都合な真実」についても触れているので、これから「美容師になろう!」としている方々にとって、お役に立てたら幸いでございます。

この記事をお読みになって「決断」された選択はこれからのあなたにとって、きっと正しい選択でしょうし、是非そう思い込んで欲しいと願っていますが、どんな選択でも必ず一長一短はありますし、思い通りにならないこともあるかもしれません。

そんな時は是非、ご自身の選択が「ベスト」ではなかっただけだと吹っ切れてください。

なぜなら、美容師になるための「道」なんて大した問題ではなく、「なった後に何を学ぶか」が重要だと言えるからです。

美容学生として学ばれている間は、ご自身の免許取得のために学ぶことでしょう。

しかし美容師となったこれからは、あなたの施術を受ける「お客様」のために、学んで欲しいのです。

私たちは接客サービス業です。

美容技術をもって、人を美しくし、お客様の幸せに「悦び」を感じてください。

美容師の可能性は、『これから』です。